2009年11月29日日曜日

MacJournal、Googleドキュメント、そしてEvernote

仕事の文書、日記、日誌、その他、さまざまなメモを書くのに3つのプラットフォームを使っている。一つはMacJournal、Macで動く日誌ソフトだ。それからGoogleドキュメント、説明の必要はないね。最後にEvernote、ネット共有できるクリッピングソフトだ。

どれも出来が良く、従来の文書作成環境からすれば、天国のようだが、それぞれに得手不得手があって、私の中に、どれを使うか少し迷いがある。


1. MacJournal (文章作成に集中できる最適な環境)

まずMacJournalだが、集中して文章を書くのに適したソフトウェアだ。独立したアプリケーションなので、もちろんネットに繋がっていなくても使える。過去の日誌がリスト、およびカレンダー形式で常時リストでき、ワンクリックで閲覧できる。Mac OS Xの検索エンジンSpotlightとの相性が良く、過去の情報を一瞬で検索できる。シリアル番号の検索などで何度もお世話になった。

MacJournalには全画面モードという、テキスト入力画面だけが、画面いっぱいになるモードもあり、メニューや他のアプリケーションが一切見えないため、本当に文章に集中できる。

最近特に思うのが、この集中できる環境の重要さだ。「減らす技術」でも書かれていたように、ネット接続は仕事の邪魔である。メールやWebは集中力を阻害する。それに対し、MacJournalで書いていると、静かな気分になれる。自分の中から出てくる声に集中できる。

またMacJournalには、ブログへのアップ機能もあり、これもなかなかうれしい。実はこのブログもMacJournalで書いてアップしている。


2. Googleドキュメント (リアルタイムでアップデートされる理想の文書共有環境)

Googleドキュメントに関して説明の必要はないだろう。画期的なWebサービスである。もう、これの無い状態は考えられないほど依存している。

WordやExcelがなくても、それらのファイルが閲覧・編集できるというのは、相当に大きい。また、常にネット上に最新の状態で保管されているため、端末や環境を選ばない。どこでもネットに繋がる環境さえあれば、すぐに閲覧・編集できる。(ただ若干セキュリティが気になるため、仕事で作ったファイルには使いづらい)

ただし、私にとっては2つの問題がある。一つは、Webブラウザが必要という点だ。Webブラウザは従来にくらべ、かなり簡素・カスタマイズ可能になったとは言え、基本はWeb上の情報を快適に閲覧・探索するための道具であり、文章作成には不要な機能が多数ある。それらが私の集中を邪魔する。

もう一つの問題は、ネットに接続していないと使えないという点だ。もちろんオフラインモードもあるが、自由ではない。またSafariでは使えない。

ネットに接続しているというのは、常に最新の状態で共有可能になるという最大の利点と同時に、常にネットによる集中の阻害にさらされる、という欠点を併せ持っている。

ただ文字の入力・編集環境としては、かなり完成度が高いため、MacJournalなど専用のアプリケーションと比べ遜色無いとも思っている。MacでもWindowsでも同じように使えるのも良い。


3. Evernote (Webクリッピングをローカルに持つ文書共有環境)

Evernoteは、ネットにドキュメントを保存すると同時に、PC上にもコピーを持っている。ネットに接続している状態では同期され、そうでない時はローカルで処理をする。

Evernoteの最大の利点はWebクリッピングである。Tumblrと異なり、ローカルに情報があるというのが便利だ。ただし逆にローカルにあるため、複数のマシンで使っている場合は、それぞれにコピーを保管しなければならない。例えば私は、3台のMac、2台のWindowsマシンで一つのデータベースを共有しており、それぞれにコピーがある。

ネット上だけに限定されているGoogleドキュメントに比べると、「重たい」環境というのが主観的な印象である。

このEvernoteは、Webクリッピングだけでなく、文書作成環境としても利用できる。またMac版に限って言えば、アプリケーションの完成度は高く、文書をストレス無く入力・編集できる。過去のクリッピングデータの閲覧・検索も容易で、私にとって、すでに無くてはならない環境の一つだ。

ネットに繋がっていなくても使えるというのも大きい。iPhoneやiPod touchでも使えるため、とりあえずMacで入力しておいて、iPod touchでシンクロして情報をローカルに持ち持ち運ぶ、という方法を良く使う。地図や買い物メモなどを持ち運ぶのに便利である。(ただしiPod touchではローカルに持つのはキャッシュだけなので、メモアプリなどにコピーが必要)

しかしEvernoteのWindows版アプリケーションは、とても出来が悪い。Windows版では、文書作成などやりたいと全く思わないし、過去のデータの閲覧も決して自由でなく、使いづらい。私の場合、Windowsではクリッピングに集中し、閲覧や編集はMacで行うというのが日常になっている。

もしEvernote社が、成功したいと思うなら、Windows版は一から作り直して、せめてMac版と同等の使い勝手を実現すべきだ。


以上、整理する。

MacJournal
・独立したアプリ
・文章作成に集中できる
・他のマシンとの情報共有機能はない

Googleドキュメント
・常にネットで共有
・文章作成も十分実用的
・ネットに繋がっている利点と欠点(文章作成に集中できない)

Evernote
・ネットとローカルに情報を持ちシンクロ
・使い勝手は重たい印象
・Mac版は文章作成はそれなりに実用的だが、Windows版はダメダメ

2009年11月18日水曜日

皮膚は考える

友人(チミー)に教えてもらったサイエンスサイトークというPodcastを楽しんでいる。どれも、丁寧なインタビュアーの掘り下げで、一流の人物の核心に近い部分を聞けるので、わくわくさせられる。

最近聞いた中では、人間は皮膚で思考する、という話が特に刺激的だった。資生堂のライフサイエンス研究所(こんな研究所があることに、まず驚き)の傳田さんという研究者の話だ。人間は、脳を含め神経で物事を判断し、思考している、という考え方が支配的だが、それは一面的なものの見方だという。

色んな話があったが、ある実験の話が印象に残っている。キューティクルの整った髪の毛は触ると心地良いらしいが、それを実験的に試験してみたという。目には見えないミクロン単位の凹凸をガラス上に作って、それを指でなぞってもらって被験者実験をしたらしい。整っているか、乱雑かで快適さが違うとのことだ。

本も出ている。読んでみよう。
「皮膚は考える (岩波科学ライブラリー 112) (単行本(ソフトカバー))」傳田 光洋 (著)
待てよ。読んだような気もするぞ。やばい。最近記憶力が。