2009年6月13日土曜日

最近読んだ本のメモ

最近読んだ本のメモです。時間が取れれば感想文を書きたいな、と。

『星に降る雪/修道院』池澤夏樹

二つの中編
星に降る雪は、雪崩で死んだ友人の恋人と、ある電波男との出会いと別れ
修道院は、恋人を寝取られたと勘違いした彫刻家が、電波男になって小さな礼拝堂を修復する話
この要約では身も蓋もないが、実は雰囲気のある良い話。面白い。
光の指で触れよ、でも思ったが、濡れ場に違和感あり。むっつりすけべ?

『ライフハックス-鮮やかな仕事術』佐々木正悟

ライフハックス関連で人気の著者
留学して実験心理学を学んだらしい
内容は薄いが、気の利いたことがいくつも書いてある。うまい。
野口悠紀雄は彼のバイブルらしい
後で『続「超」整理法』を読み返したら、実は、野口が14年前に言っていたことを現代風に焼き直したものだとわかった

『自分の仕事をつくる』西村佳哲

14年前ごろにAXISに連載されていた
生き生きと働いている色々な人にインタビューした内容が掲載されている
著者の問題意識は、私と共通する部分が多い。
私は著者と同い年
自分の仕事に誇りを感じられる人ばかりじゃない、世の中の多くは身過ぎ世過ぎのため、生きるために仕方なく働いている、という本書への反論への、彼の回答が最後に掲載されている
ルヴァンが、どういう人によって作られたのか知った。なるほど。
得るもの、考えられることがが多い本

『美しいこと』赤木明登

お椀に漆で塗り物をする赤木さんという人が、主に工芸に近い分野のアーティストと会って話をしたことが書かれている
ふんだんに掲載されている、工芸品などの写真がとても美しい
この写真を見るためだけでも買って良かったと思う
著者の文体は、残念ながら私にはあまり合わない。スナッブに感じる
でも、書かれている内容の多くは面白く、考えさせられる、良いものだ。


『おもいでエマノン』梶尾真治


島崎さんがtwitterで教えてくれた昔のSF
梶尾真治は好きで、学生のころ良く読んだ
でもエマノンは初めて
いいね。ちょっと甘いけど。ジュブナイルSFという感じ
空港ですれ違う話が好き。悲しいけれど。
作品の完成度としては、もっと割り切りが必要だと思うが、
梶尾氏は残酷になれない作家なんだな。その人間味が好きな理由かもしれない。

『日本カフェ興亡記』高井尚之

つい最近出版された本
日本のカフェに関する幅広く深い知識を得ることができる
実際に店舗を回ったり、経営者達に聞いた、つまり足で稼いだ情報に基づくのが良い
また単なる情報ではなく、カフェに対する彼の視点がいい
カフェを作るのは難しくない、が、商売として続けて行くのには、やはり、それ相応の信念、努力、センスが必要だ。特に、信念は大きいように思う。
カフェを止めた人の体験談が複数載っていて、これも貴重

『続「超」整理法•時間編』野口悠紀雄
14年ぶりに再読
当時、真似して、蛇腹式のスケジュール帳を作ったのを思い出す
その後、ITが急速に普及したため、技術的には大分古びている
ただ考え方はシンプルで、未だに説得力がある
上述の佐々木氏の本など、骨子はこの本と同じ
ただGmailやGoogleカレンダーが普及したのが違うだけ、というと言い過ぎか
佐々木氏があまり書かなかった「七つの習慣」などとの差別化も野口氏は明快に述べている


『男の掃除』佐光紀子


男性向けに、掃除の原理を噛み砕いて書いた良書
いわく「汚れには酸性の汚れと、アルカリ性の汚れがある」
いわく「ほこりは重力に引かれて、上から下に落ちる」
原理に対応する、掃除法の原則があって、さらにその原則を生かすテクニックが述べられる
奥さんに怒られないような掃除をするために、旦那は最低知っておいたが良いかも


『脱「ひとり勝ち」文明論』清水浩


エリートという電気自動車を作った清水先生のエッセイ
抜群におもしろい
エリートは8個のタイヤがついていて時速370km出るスーパーEVだ
中学生でも読めるような噛み砕いた文体
立場上、太陽電池の導入量や系統との関連については、私はうかつなことは言えないし、清水先生も言えないと思う
ただ、検討の俎上には載せるべきだし、最後は国民が未来を選択するのだと思う

2 件のコメント:

hidk さんのコメント...

池澤夏樹むっつりすけべには一票!
『マシアス・ギリの失脚』もちょいむっつりだったので、昔からかも・・・

fewzio さんのコメント...

そういえばそうですね。年とって遠慮がなくなっただけかもしれません。